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日本医療法人協会ニュース 2014年10月号

巻頭言
  理事 杉 健三

■EVENTReport 医療を守る法律研究会講演会

■短期集中連載 「医療法人会計基準」パーフェクト解説 第4回
 あくまで経済実態を優先する会計基準適用にあたっての留意点
   公認会計士 五十嵐邦彦

■医法協アカデミー第78回
 医療需要減と介護需要増が見込まれる北海道の医療・介護体制の課題と将来
   社会医療法人北斗 理事長 鎌田 一

■緊急報告
 「医療事故調医法協ガイドライン」概要版
  ※その後、最終報告がまとまり、10月に公表致しました。

●NEWS DIGEST 医療界の最新動向

「第29回全国医療法人経営セミナー」(10月25日)開催のお知らせ

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■巻頭言
 〜非営利ホールディングカンパニー型法人の議論の行方を厳しく注視せよ

  日本医療法人協会 理 事  
医療法人シー工ムエス 理事長  
杉 健三

  非営利ホールディングカンパニー(HD)型法人制度の創設に関する議論が急速に進んでいる。この議論には危惧されるべき多くの問題点がある。

  昨年8月6日の社会保障制度改革国民会議報告書において、「非営利性や公共性の堅持を前提としつつ、機能の分化・連携の推進に資するよう、例えばホールディングカンパニーの枠組みのような法人間の合併や権利の移転等を速やかに行うことができる道を開くための制度改正を検討する必要がある」との提言がなされた。その趣旨は、今後の医療は競争ではなく協調をもって進められるべきであり、過当競争から病院を救うためには、非営利を厳格化して地域独占を許容すること、および医療・福祉を包括的に取り込んだまちづくりに資するためにも医療・福祉の一体的法人制度を創設すべきというものである。これは、地域の医療機能の分化と連携等を行い地域包括ケアを進めるとともに、医療資源を効率的に活用することで地域の医療・福祉提供を持続可能なものとするという、医療の現場から見ても十分に納得できるものである。その後、厚生労働省の「医療法人の事業展開等に関する検討会」で具体化に向けた議論が進められ、早ければ来年に政省令改正あるいは法改正を行うとされた。

  ところが、政府はアベノミクスのなかで医療・介護分野を“経済成長分野”と位置づけ、非営利HD型法人制度の創設を強力に後押しし始めた。今年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会で、安倍首相は「日本にもMayoClinicのようなHD型の大規模医療法人ができてしかるべきであるから、制度を改めるように指示した」と表明。6月24日には、非営利HD型法人制度の創設が盛り込まれた「日本再興戦略改訂2014」が閣議決定された。

  こうした動きは、非営利HD型法人制度を本来の趣旨から離れて、第一義的に“成長戦略の手段”、つまりは経済問題としてとらえていると考えられる。医療は国の経済と切り離せないが、さりとて医療の問題を経済主導で解決しようとすれば、医療の本質をゆがめ、地域医療の変質、さらには崩壊の危機を招く。これはかつて小泉政権の経済主導施政で経験したことである。

  また、再興戦略では、非営利HD型法人と地域包括ケアを担う医療・介護事業等を行う営利法人が連携できるような制度上の措置を来年中に講ずることをめぎすとしている。こうした制度創設は、将来的には国内の大型営利企業あるいはアメリカ型営利IHNのわが国の医療への大規模参入を招き、ひいては日本の誇る国民皆保険制度を崩壊させることにつながらないだろうか。

  非営利HD型法人制度創設の議論の行方には、今後十分に注意していかなくてはならない。

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