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日本医療法人協会ニュース 2016年4月号

巻頭言
 会長 加納 繁照

■特集
  平成28年度診療報酬改定を斬る!
  平成28年度診療報酬改定説明会/総論1/総論2/急性期医療編/慢性期医療編/精神科医療

■海外の医療事情イギリス型に近づくフランス医療
  一日本は既存資源の活用が重要−(後編)
 フランス医療の訪問調査に基づくわが国の医療改革に向けての「5つの提言」
   副会長 鈴木邦彦

■EVENTReport シンポジウム「医師法21条と医療事故調を考える」

■連載「医療法人会計基準」パーフェクト解説 最終回
 医療法人会計基準省令化による展開 公認会計士 五十嵐邦彦

「第1回経営講座」開催のお知らせ

●NEWS DIGEST 医療界の最新動向

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日本医療事業協同組合


■巻頭言
 〜大都市圏における政策医療のあり方について真剣に再考すべきとき

  日本医療法人協会 会長     
社会医療法人協和会 理事長   
 加納 繁照

 「病院間の公私格差」が叫ばれて久しいが、今回の地域医療構想策定において、全国でその議論が再燃されつつある。そもそも公的病院、特に自治体病院に補助金が出されるようになったのは、全国自治体病院協議会の会長を14期28年間、日本病院会の会長を5期15年間された故・諸橋芳夫会長の時代にさかのぼる。当時、自治体病院は今のようにきれいな病院ではなく、老朽化が進み、また毎年度末には各病院の累積赤字が数十億円と言われていた。それが故・諸橋会長の指示のもと、全国の自治体病院に特別交付税制度という形で、「一般会計繰入金」等と称する自治体からの交付金、補助金等が組み込まれていくようになる。その結果、全国の自治体病院は赤字が蓄積せず、毎年経営的にリセットされるようになったのである。

  これを、総務省公表の「地方公営企業年鑑」の病院事業報告から、平成25年度の大阪府内の16市立病院を例にみると、総額約185億円、平均1病院あたり11億6,000万円の他会計繰入金が交付されている。また、地方独法化された大阪府立病院機構の5病院には総額約106億円、平均1病院あたり21憶3,000万円の運営費負担金が交付されている。この繰入金がなければ、府内すべての自治体病院は赤字となるのである。

  たとえば、大阪市立総合医療センターは約32億円の黒字と称しているが、約69億円の繰入金があり、実質的には約37億円の赤字。大阪府立急性期・総合医療センターでも約17億円の黒字と称しているが、約26億円の運営費負担金があり、実質的には9億円近い赤字。税制面でも圧倒的に有利となっているが、府内では、繰入金なしで黒字の公立病院は一病院もないのが実態である。

  これらの他会計繰入金や運営費負担金はすべて税金からの補填であり、一般会計等が負担する名目としては、民間病院にはできない政策医療を行っているからとなっている。全国レベルでみると、地方、特に過疎と呼ばれる地域ではもちろん、公立病院が高度急性期から、急性期、回復期、慢性期まですべての機能を政策医療として担わなければ、地域医療が成り立たないところがある。

  しかし大都市圏では、税金の投入が必要な政策医療にはどのようなものがあるのか、ということを真剣に考える必要があると思う。地域医療構想策定ガイドラインのp26の上から2つ目のマルのなかには、「地域における必要な役割分担の議論が進むよう、一般会計繰入や補助金の交付状況など税財源の投入状況を含めた必要なデータの提出や、調整を行う必要がある」と明記されている。自治体病院のあり方を議論すると同時に、大都市圏における政策医療について、もう一度しっかりと考えなければならないと思われる。

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