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日本医療法人協会ニュース 2017年3月号

巻頭言  
  理事 丹野 尚

特別企画
  迫井正深・厚生労働省保険局医療課長に聞く
  30年度同時改定では医療のあり方の「総点検」を求めたい

■EVENTReport 北海道支部「第2回医業経営セミナー」

早春インタビユ一
 自見はなこ参議院議員が語る医療政策
  キャリアデザインや地域医療へのかかわりなどを政策面から後押し

■医法協アカデミー第93回
 健保組合一元化による医療費財源確保を考察する
  日本医療法人協会理事/医療法人誠医会宮川病院 理事長 宮川 政久

■特別寄稿
 医療と法律の接点で起きている 混乱に対応するために
  常務理事 小田原良治

●NEWS DIGEST 医療界の最新動向

会員の皆様へ 〜e−mailアドレス登録のお願い〜

第1回経営講座(4月27日開催)

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福祉医療機構サイト内金利情報へのリンクです。利率は随時更新されております)

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日本医療事業協同組合


■巻頭言 〜被災地で一段と増す民間病院の役割 

 日本医療法人協会  理事     
医療法人友仁会松島病院 理事長 
丹野 尚

 
  東日本大震災から6年である。死者・行方不明 者1万8455人、都道府県別では私の病院のある宮城県が最も多く1万777人、改めて被害の大きさを実感する。あの日、長く続いた強い横揺れの数十分後、太平洋沿岸を襲った大津波によって、石巻市から気仙沼市にかけて沿岸の7病院をはじめ、多くの医療機関が機能不全に陥った。それからの復旧復興は決して平たんではなかったが、昨年9月1日、石巻市立病院が開院し、診療所として再出発した病院も含め、津波で壊滅した病院がすべて復旧した。

 しかしながら、被災地の医療機関、とりわけ民間病院はいくつかの困難に直面している。その一つが医師・看護師不足である。多額の国家予算がつぎ込まれた東北メデイカルメガパンク事業の一環として、被災地病院への医師派遣があるが、対象は公立病院だけであり、民間病院の医師確保は むしろ困難になった。近い将来、新専門医制度が始まったら、いったいどうなるのだろう。また、前述の石巻市立病院の開院は、被災地にとって喜ばしいことだが、民間病院の看護師不足が助長されたのも事実。さらに、「被災地に医学部を」と開学した東北医科薬科大学も、将来的な医師不足の解消には寄与するかもしれないが、沿岸地域に出現した大学病院は、これまた看護師不足を助長しそうである。

 また、関心を払うべきは、地域の患者の現実だ。 震災から6年になるのに、まだ多くの被災者が避難生活、仮設住宅暮らしをしている。宮城県全体では応急仮設入居者が1万3762人もいるという (平成28年12月31日時点)。私の外来にも、いまだに仮設住宅住まいの患者が数多く訪れる。高齢者が多く、そのほとんどは生まれて初めて経験する集合住宅。夏は暑く、冬は寒い過酷なプレハブ仮設生活が6年である。あるいはまた、災害公営住宅に運よく入居できたものの、孤独感から持病の慢性疾患が悪化して入退院をくり返す独居の高齢者もいる。

 彼らにとって、肺炎、脱水症、熱中症、低体温症、持病の慢性疾患の悪化などで気軽に入院できる医療機関は、かけがえのない存在であり、ここにこそ、われわれ中小民間病院の大きな役割がある。 ところが、地域医療構想では、入院医療とは高度集中治療を意味し、身近な入院医療は淘汰の方向のようである。また、地域包括ケアの議論のなかで、在宅死礼賛論者は住み慣れた生活の場での最期を強調する。しかし、生活の場のすぐ隣にある身近な病院での最期は、在宅での最期とどこが遣うのか。被災地で見えてくるものは、震災からの復旧・復興の遅れだけでなく、国の医療政策の根本的な矛盾である。

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