日本医療法人協会ニュース 2020年8月号
■太田副会長に聞く 新型コロナ対策の大役を担う
病院への財政支援の再要用は 適切なタイミング、説得力ある内容で
■特別対談 オンライン資格確認の導入に向けて
レセコン・電カルの改修が必要 補助申請はまずサイト登録から
厚生労働省保険局医療介護連携政策課 課長 山下 護 × 日本医療法人協会 会長 加納 繁照
■安藤たかお衆議院議員の国政問答第10回
「骨太の方針」にも病院の実態を反映 コロナ対策では私案を提示
■EVENT Report 2020年度第1回経営講座
●第35回全国医療法人経営セミナーin那須
●独立行政法人福祉医療機構 (医療貸付)貸付利率表
(福祉医療機構サイト内金利情報へのリンクです。利率は随時更新されております)
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(松田マネジメントグループ/日本医療事業協同組合)
巻頭言
医療人としての覚悟とプライドを持って新型コロナウイルスと向き合う
日本医療法人協会 理事
医療法人神徳会三田尻病院 理事長
神徳 眞也
今年、令和2年は、7月23日から東京オリンピック・パラリンピックが華々しく開催され、希望と明るさに満ちた素晴らしい年となるはずでした。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて、1年延期となったのはご存知のとおりです。この新型コロナウイルス感染症は、オリンピックの延期ばかりではなく、世界中の生活習恨を大きく変え、全業界のあり方をも根本的に全く違ったものへと変えてしまいました。
流行の第一波は、全世界的に徹底的な封じ込めで対応してきました。しかし、封じ込めには経済的に大きな犠牲が強いられ、おのずと限界があります。そして今、世界は封じ込めを諦めて、ウイルスと共存する道「WithCOVID-19」へと大きく舵を切りました。コロナフリーをめざすのではなく、地域で発生してもそれを広げない、オーバーシュートさせないことを基本的方針とする社会を選択したのです。
このことが示すものは何か。このウイルスは若い人でも重症化させることはありますが、特に高齢者や基礎疾患を有する人に高い病原性を有しています。したがって医療機関や老人施設には、感染リスクを減らす努力が今後も継続して求められることになります。どんなに院内感染対策に努力していても、無症状の感染者の方が外来や救急受診された時、あるいはお見舞いに来られた時に施設内にウイルスが持ち込まれ、院内感染として広まってしまうリスクと今後も向き合っていかなくてはならないということです。どのようなリスクがあっても、われわれは医療人としての党悟とプライドをもってCOVID-19と向き合っていきます。それと同時に、診療をすればするほど、救急要請を受ければ受けるほど増していくリスクのことを、もっと正しく国民の皆さまに広報していただきたいと願っています。
今、医療が大きく変わろうとしています。それぞれの病院が、それぞれの地域において求められる適切かつ良質な医療・介護・福祉提供体制確保のために、それぞれ独自のスタンスでその方向性を選択し、永続性をもって邁進できるよう、英知を結集し対応していかねばなりません。
医療制度がどのように変わっても、医療の基本が「患者さんとの信頼関係」であることは変わらないと思っています。そして、その信頼は常に目の前の患者さんに隼中し、生命を尊重し、愛情をもって全力で尽くすことでしか得ることはできないと思っています。信頼を得ることは容易ではありませんが、その信頼を失うのは一瞬です。その信頼こそが、われわれ医療人にとって、まさにかけがえのないものであることを忘れてはいけないと思っています。
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