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日本医療法人協会ニュース 2021年6月号

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巻頭言 日本医療法人協会常務理事 伊藤 雅史

会長談話
 コロナ禍での民間病院の役割を
 正確に把握したうえでの議論を望む
  日本医療法人協会会長 加納 繁照

■特別誌上インタビュー
 平子哲夫・厚生労働省老健局老人保健課長に聞く
  2021年度介護報酬改定の考え方
 ~人材を揃え、サービスの充実を図り
   多様化・複雑化するニーズに対応を~

■RESEARCH Report
 新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査
  2020年度の医業利益はマイナス
  赤字補てんも厳しい経営状況


■自見はなこ参議院議員の国政レポート 第13回
 ワクチン接種が急がれるなか
 働き方改革の推進も急務

■安藤たかお衆議院議員の国政問答 第13回
 感染対策支援からワクチンまで
 新型コロナ対策への提言に尽力

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巻頭言
 科学的介護を進める際の課題

日本医療法人協会 常務理事 
社会医療法人慈生会 理事長 
 伊藤 雅史

 2021年度介護報酬改定で、科学的介護情報システム「LIFE」へのデータ提出と、それに伴う自事業所内でのPDCAサイクルなどを行った際の収り組みを評価する「科学的介護推進体制加算」が新設された。これによって、介護の質的な評価についての客観視が進むことが期待される。

 私は従前より、介護の質を向上させるには介護の学間的体系、すなわち「介護学」のようなものが必要と考えていた。これにより、介護従事者の待遇、ひいては社会的地位向上も期待される。看護分野が「看護学」として体系化され、日本看護協会が中心となってこれに基づいた政策提言などを進めたことが、看護の質とともに看護師の社会的地位の向上に大きく寄与したと思うが、介護分野においてもそうした体系化が必要であり、今回の「LIFE」の取り組みはその第一歩と位置づけられるだろう。

 課題もある。一つは導入する際の負担だ。介護は中小規模の事業所が多く、かつ医療以上にIT化への意識が進んでいない。「LIFE」に向けたデータ収集に必要なインフラ整備が必要な事業所は多いだろうし、それを政策的にどう支援していくかが間われることになるだろう。

 もう一つ、現場の負担も考慮すべきである。 現場では当然、新たな業務負担が増えることになる。将来的な効率化のためとはいえ、初期段階では相当な負担になるはずだし、中小規模の事業所のなかにはスタッフの高齢化が進んでいるところもある。 さらに、厚生労働省の介護のITシステムに関するグランドデザインが現場からは見えにくい点も気になるところだ。医療では分野別、業務別、あるいは政策ごとの目的別に、それぞれデータを収集することが重視され、悪く言えば場あたり的にシステムが構築されてきた。そのため、ITシステムの縦割り化が過度に進み、 本来ならば横串を通して共有できるはずの情報も共有化されず、共有化のために新たなシステムをつくり直すという屋上屋を重ねるようなことを繰り返してきた。今後、医療と介護のデータの相互乗り入れが進むと思うが、それらを束ねる俯瞰図は今から描いておいていただきたいと思う。

 重要な留意点がもう一つある。今回、「LIFE」は訪間や通所などリハビリテーション分野から始まった印象が強いが、現場では、年を追うごとに要介護4~5の利用者が増えている。この方々は、「LIFE」で可視化できるような機能回復が果たせるとは限らない。こうした人たちをどう支えていくのかという問題意識も、科学的介護を進めるうえでは忘れるべきではないだろう。


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医療法人は70周年

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