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日本医療法人協会ニュース 2022年10月号

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■巻頭言
 日本医療法人協会 埼玉県支部長 西村 直久


会長談話 新型コロナ対応は真の収束に向けた段階ヘ
 通常医療への復帰・両立に際し 移行のあり方、必要な支援を考える時期
  日本医療法人協会 会長 加納 繁照


■解説 令和5年度予算概算要求を読み解く
 新しい動向・情報を積極的に収集し 協議の場で明確な意見表明を
  日本医療法人協会 会長代理 伊藤 伸一

■インタビュー 新型コロナ第7波を振り返って
 第7波と並行して始まったWithコロナに向けた新たな体制へのキックオフ
  日本医療法人協会 副会長 太田 圭洋

■特別報告 電子カルテ導入に関する公的補助について
 電子カルテ等の抜本的改革は将来の医療費削減などに貢献する
  日本医療法人協会常務理事/元衆議院議員 安藤 高夫

■自見はなこ参議院議員の国政レポート 第24回
 医療・介護分野への支援を交付金の推奨事業へ明記

■特別寄稿 医師法21条「外表異状」の定着
 『医事法判例百選』第3版でわれわれの解釈を全面的に採用
  日本医療法人協会 常務理事 小田原良治

●NEWS DIGEST 医療界の最新動向
第37回全国医療法人経営セミナーin兵庫
●ウクライナ支援について
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 50周年を迎えて

日本医療法人協会 常務理事
日本医療法人協会 埼玉県支部長
聖光会メデイカルケアグループ 理事長
西村 直久

 医療法人聖仁会、医療法人光仁会、社会福祉法人大幸会などで構成される聖光会メディカルケアグループは今年、創立50周年を迎えた。現在、さいたま市や春日部市を拠点に3病院をはじめ診療所、介護事業所など19事業所を展開している。

 創業者は父である西村仁一である。1972年に春日部市下蛭田に豊春中央病院を設立、75年に医療法人光仁会として法人化し、79年に西部病院(現・西部総合病院)を立ち上げ、翌年には聖仁会として法人化するなど、設立から10年足らずで現在のグループをほぼ築き上げたことになる。介護事業にも先駆的に乗り出し、2000年4月にスタートした介護保険制度よりも前の1997年12月より老人デイケア・診療所として独自のサービスを展開、訪間看護ステーションも介護保険制度が始まる前から開設している。ただ、父は医師ではなかったこともあり、理事長就任にあたってはかなり苦労したようだ。

 99年4月、父が病を患っていたこともあって私が理事長職を継いだ。想定していた時期よりかなり前倒しでの着任だったが、それでも病院長たちは新米理事長の私を支えてくれ、また、私も理事長職を務める一方で現場の一臨床医としても精—杯、汗をかいた。 大学医局で循環器内科の道を究めようとしていた矢先のことだったので、後ろ髪をひかれる思いがあったことは確かだ。それでも地域に根差した病院での診療に従事したことで、医局に在籍したままでは決して知りえなかった患者さんの本音にも多く接することができ、そこでの経験はグループを率いるうえでの貰重な財産になっている。

 今年度のスローガンに「人と地域に寄り添う医療」を掲げるなど、当グループぱ常に地域に根差した医療・介護サービスを心がけてきたが、これらは、父を看取った時の私自身の経験も大きい。 父は病に侵されながらも最期まで病院で職を全うしようとし、理事長室にベッドを持ち込んでまで職務にあたっていたが、ある時、最期は自宅で迎えたいという''本音''がわかった。そこで私が主 治医として自宅で診療を行い、かつ訪間看護にも加わってもらいながら在宅医療を実践できたことは、父からの最後の教育だと思っている。

 同年8月に父は末期がんで亡くなったが、本人の希望する最期を叶えることができた。20年以上も前にこのような体制がグループ内で整っていたことを考えると、地域包括ケアシステムの重要性を、父は見越していたのかもしれない。

 これから、埼玉県は本格的な超高齢化を迎える。当グループの使命は大きい。「SDGs」という言葉が世の中をにぎわせているが、父をはじめ多くの人々が育んでくれた医療・介護事業を地域で存続させていくことこそ、51年目以降、私たちが果たすべき役割であると考えている。


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