~医療法人制度について~
■はじめに
■医療法人の定義と種類
■医療法人の特徴=非営利性
■医療法人と税負担
■医療法人の設立
■基金拠出型法人(出資額限度法人)
■社会医療法人
■医療法と医療法人制度の歴史
(参考)
○ 厚生労働省医政局「医療法人・医療経営のホームページ」
○ 医療法人の各区分表(印刷不可)
○ 社会医療法人制度の概要図
○ 改正医療法施行に伴う医療法人の移行の概念図
○持分の定めのない医療法人への移行計画認定制度(認定医療法人制度)の概要
○医療法人会計基準について(医政発0319第7号 平成26年3月19日)
※医療法人会計基準に関する検討報告書(平成26年2月26日 四病院団体協議会 会計基準策定小委員会作成)添付
○医療法人の現状と課題に関するアンケート調査報告書
(四病院団体協議会・2011年4月発表)
>PDF版報告書
>PDF版関連資料
>WORD版報告書
>WORD版関連資料
○ 医療法人制度改正に関する各種通知(2007年3月30日) 資料
○ 出資持分のない医療法人への円滑な移行に関する調査研究報告書
○ 出資持分のない医療法人への円滑な移行マニュアル
はじめに
病院や診療所などの医療施設を開設する主体には下記の通りさまざまな形態があります。
>病院開設者の種別
>厚生労働省「医療施設動態調査」などによる分類
【付 記】 病 院=20床以上のベッド(入院施設)を持つ医療機関。「病院」と一般的に称している医療機関はこちらのことを示します。 病院又は診療所 と 介護老人保健施設等 との区分について (医療法上による) |
大分類 | 小分類 | 例 |
国 | 厚生労働省 | 国立ハンセン病療養所など |
独立行政法人国立病院機構 | 国立病院 | |
国立大学法人 | 国立大学医学部等の付属病院 | |
独立行政法人労働者健康安全機構 | 労災病院 | |
国立高度専門医療研究センター | 国立がん研究センタ-中央病院など | |
独立行政法人地域医療機能推進機構 | JCHO病院など | |
その他 | 防衛省(自衛隊病院、防衛医大病院) 法務省(医療刑務所、医療少年院) 宮内庁(宮内庁病院)など |
|
公的 医療機関 |
都道府県 | 都道府県立病院 |
市町村 | 市町村立病院 | |
地方独立行政法人 | 公立大学医学部等の附属病院など | |
日本赤十字社 | 赤十字病院 | |
社会福祉法人 恩賜財団 済生会 | 済生会病院 | |
北海道社会事業協会 | ||
厚生農業協同組合連合会 | JA厚生連病院 | |
国民健康保険団体連合会 | ||
社会保険 関係団体 |
全国社会保険協会連合会 | 社会保険病院 |
船員保険会 | 船員保険病院 | |
健康保険組合及びその連合会 | (企業等)健保立病院 | |
共済組合及びその連合会 | 国家公務員共済組合連合会(共済病院) 警察共済組合(一部の警察病院)など |
|
国民健康保険組合 | ||
公益法人 | 一般社団(財団)法人立 又は 公益社団(財団)法人立の病院 (医師会病院など) |
|
医療法人 | 「医療法人」の名が付く医療施設 | |
私立学校法人 | 私立大学医学部等の付属病院 | |
社会福祉法人 | ||
医療生協 | 医療生協病院 | |
会社 | JR病院,NTT病院,逓信病院(日本郵政)など※ | |
その他の法人 | 宗教法人の病院など | |
個人 | 個人立病院 |
※「会社」分類の医療機関は旧三公社五現業が特殊会社化された際に誕生した医療機関や、医療法第7条6にある「営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、第四項の規定にかかわらず、第一項の許可を与えないことができる。」との規定運用上の解釈として、1948年(昭和23年)10月27日の医療法施行よりも以前に存立していた医療機関です。営利目的の企業が医療機関を有することは認可されておりません。
このうち、
○施設数において
全国の病院の 69.5%(全体の3分の2以上・分類中1位)
全国の診療所の 44.2%(全体の3分の1以上・分類中1位)
全国の歯科診療所の 24.6% (分類中2位。最多は「個人」の74.4%)
○病床数において
全国の病院全病床数の 56.1%(834,573 床)
全国の有床一般診療所の 78.0%(60,602 床)
とそれぞれ 多くを占めているのが 医療法人 となっております。
(※令和5年5月末日現在「医療施設動態調査」のデータに基づく)
また、
1)民間医療機関も含めて各病院の機能において、慢性期の89%、回復期の77%、 急性期の52%、高度急性期の12.4%は医療機関を含めた民間病院が担っており、慢性期や回復期の民間比率は圧倒的に高い。
(2022/3/4 第7回第8次医療計画等に関する検討会・資料1(P.64)内の「公立・公的等」を除いた「その他」の数に基づく)
2)
全救急搬送数における医療機関別の割合でも、医療法人を含む私的医療機関の割合は 55.6% を占める。
(令和3年版 救急・救助の現況のデータに基づく)
…など、民間医療機関である医療法人は、わが国医療の根幹 を支えている医療機関です。
そして、日本医療法人協会は、この 医療法人の会員のみを有する , 純粋な民間医療機関の団体です。
医療法人の定義と種類
「医療法人」は、医療法の規定に基づき設立される法人です。昭和25年の医療法改正により制度が創設されました。
そして、医療法人の定義を医療法では、次のように定めています。
○医療法第39条1「病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設しようとする 社団 又は 財団 は、この法律の規定により、これを法人 とすることができる」
○医療法第39条2「前項の規定による法人は、医療法人とする」
(※医療法第39条1でいう社団、財団とは、法人の実体による区分のことで、簡単にいえば社団とは人の集まりを基盤にした法人、財団とは提供された財産を運営するためにつくられる法人です。医療法人の場合、どちらの種類でも設立することができます。)
医療法人制度の趣旨は以下の通りとなっております。(昭和25年8月2日厚生省発第98号厚生事務次官通知より)
「医療事業の経営主体が 医業の非営利性を損なうことなく法人格を取得する途を開くことにより、
①資金の集積を容易にするとともに、
②医療機関の経営に永続性を付与し、もって私人による医療機関の経営困難を緩和すること」
現在、医療法人は、全国で 58,902 法人あります。(2024年3月31日現在)
>詳細はこちら(厚生労働省「医療法人のページ」内資料のリンク)
そして、設立に際し、出資者を「社員」として、資格を設立総会(社員総会)の承認を得て取得します。
医療法人社団では、構成員である社員のほか、医療法の定めにより、社員総会、理事・監事、 理事長などが置かれることになっています。社員総会は最高意思決定機関であり、理事・監事 を選任・解任する権限を持っています。
(※医療法等で「社員」と表記する場合、この「社員」を示すものであり、医療法人が開設する医療機関で働いている従業員とは異なります。)
なお、平成19年4月より新しく許可された医療法人は「基金拠出型法人」となります。
(既に許認可が出されている医療法人、現行の出資額限度法人については、基金拠出型法人などに強制移行はせず、経過措置適応医療法人として現在の状況にて存続できます。)
※医療法人の各区分表はここをクリックして下さい。(印刷不可)
※改正医療法施行に伴う医療法人の移行の概念図はこちらをご参照下さい。
※業務可能範囲は以下の通りです。(参考:医療法人の業務範囲)
法人種別 (可能範囲) |
業務 | 内容 | |
社会 医療 法人 |
一般 医療 法人 ・ 特定 医療 法人 |
本来業務 | 医療提供行為 (病院・診療所・老健施設の運営) |
附帯業務 | 医療提供行為に附帯する業務 (在宅介護支援センター、訪問看護ステーション、等) ※知事の許可が必要 |
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付随業務 | 本来業務に附随して行う業務 (医療施設内の売店、患者用の駐車場運営、等) ※収益業務の規模にならないもの。 |
||
収益業務 | 知事の許可、及び定款等の記載のもとで行う収益の業務 (医療介護療養用品の販売、一般駐車場経営、等) ※収益は本来業務(医療提供行為)へ再投資されます。 |
||
社会福祉事業 | 第1種 第2種 |
ご参考)「医療法人」の名称表記について ○「医療法人」という名称については、医療法第40条により、医療法人でない者(個人・法人)が、その名称中に「医療法人」という文字を用いてはならないことになっております。 ○医療機関の名称表記で「医療法人○○会」と、「社団」又は「財団」の表記を省略している場合があります。(※逆に都道府県によっては「社団」「財団」の表記を明示するよう求めている所もございます(例:東京都など)) ○医療法人名称は、既存の医療法人(同一県内、隣接する都道府県にあるものを含む)の名称や、同一又は紛らわしい表記は避けるよう指導されております。また、必ずしも「○○会」と会と付ける必要はありません。 ○「医療法人社団▲▲会」と「(公益・一般)社団法人●●会」 ○ 診療所などを開設している医療法人として「一人(医師)医療法人」という表現がございますが、これは通称であり分類の名称ではありません。上記分類では通常の医療法人同様、その大半は社団の医療法人となっています。 〇また、独立行政法人や社会福祉法人など、法人組織が運営する医療機関全般を「『医療法人』が運営する医療機関」として表記している場合もございますが、医療を行っている法人組織=医療法人ではなく、純粋な「『医療法人』が運営する医療機関」は上記種類の中の「医療法人」が運営する医療機関です。独立行政法人や社会福祉法人が運営する医療機関は、それぞれの法人体が運営する医療機関です。 |
医療法人の特徴=非営利性
法人は民法その他の法律によらなければ設立することができません。民間の法人の代表的なものは、いうまでもなく株式会社や有限会社等の会社ですが、医療はかけがえのない生命、身体の安全の直接関わるだけに、これら営利企業にゆだねるのは適当ではないとされました。
そこで、昭和25(1950)年、医療事業の経営主体を法人化することにより、医業の永続性を確保するとともに、資金の集積を容易にし、医業経営の非営利性を損なうことなく、医療の安定的普及を図るため、医療法により「医療法人」という法人類型が創設されました。
これを法律の上でみると、医療法では営利目的の病院、診療所の開設を許可しないこととしています(医療法第7条項)。
このため、医療法人も営利を目的としないよう、「医療法人は、剰余金の配当をしてはならない」(医療法第54条)と厳格に規制されております。
この非営利性が医療法人の最大の特徴です。
医療法人と税負担
医療機関の主な課税(法人税等) |
|||
開設主体(主なもの) | 国税 |
地方税 | |
法人税 | 住民税 | 事業税 | |
国・独立行政法人 | 課税なし | 課税なし | 課税なし |
都道府県・市町村・地方独立行政法人 | 課税なし | 課税なし | 課税なし |
公的(日赤・済生会・厚生連など) | 収益事業課税 医療保健業は除外 |
収益事業課税 医療保健業は除外 |
収益事業課税 医療保健業は除外 |
医療法人 (社会医療法人・特定医療法人を除く) |
課税 | 課税 | 課税 社会保険診療は非課税措置、 自由診療は軽減税率適用 |
※第9回 地域医療構想に関するワーキンググループ資料(資料2) 及び、国税庁・法人税の税率ページ参照による。
開設主体別医療機関の財政・税制上の措置の表にもあるとおり、国立・公的医療機関は非課税であり、医療法人は基本的に課税対象者です。
国立・公的医療機関等と民間医療機関である医療法人とでは、当期純利益(損失)には税負担分の差が生じます。また、中央社会保険医療協議会「医療経済実態調査」(2015 年)の結果によると、医療法人では売上高(医業・介護収益)の0.8%が税負担となっております。
さらに、公立と民間の医療機関では、繰入金額の有無もあり、総務省調査では平成29年度以降、8000億円以上が公立医療機関に交付されております。(「公立病院の現状について」P7参照)
この不公平差を解消することも懸案事項となっております。
医療法人の設立
医療法人は認可主義(法律の定める要件を具備し主務官庁の認可を受ける仕組み)が採られており、主務官庁は都道府県です。2つ以上の都道府県において病院等を開設する医療法人については、認可権限が主たる事務所の所在地の都道府県となります。
医療法人を設立しようとする者は、定款・寄附行為、設立当初の財産目録、設立決議録、不動産その他の重要な財産の権利の所属についての登記所、銀行等の証明書類、施設の診療科目、従業者の定員、敷地・建物の構造設備概要を記載した書類等を添付して都道府県知事に申請し、その認可を受けて設立します。
認可を受けたら、医療法人の主たる事務所の所在地において組合等登記令の定めるところにより設立の登記をすると、法人として成立することになります。
※医療法人設立にあたり、当協会でもご相談を承っておりますが、手続きの煩雑さから申請等の段階では仲介者(コンサルタント等)を用いる場合もございます。その際、通常よりも多額の仲介料を取る者もおりますのでご注意下さい。
基金拠出型法人(持分なし医療法人)と既存医療法人(持分あり医療法人)
医療法人出資者の投下資本の回収を最低限確保しつつ、医療法人の非営利性の徹底、医療の永続性・継続性の確保を図るため、平成16(2004)年8月の厚生労働省通知により「出資額限度法人」として認められた医療法人の類型のひとつです。
同通知では、「出資持分の定めのある社団医療法人であって、その定款において、社員の退社時における出資持分払戻請求権や解散時における残余財産※分配請求権の法人の財産に及ぶ範囲について、払込出資額を限度とすることを明らかにするもの」と定義づけられています。
※医療法人を設立する際、解散時の残余財産の帰属先は、国、地方公共団体、公的医療機関の開設者、財団または持ち分の定めのない社団の医療法人の中から選ぶこととされています。
社員の退社時や相続時には、同族4要件をクリアすることによって所得税や贈与税が非課税とされますが、この要件がきわめて高いため、既存医療法人が移行するのはきわめて困難です。※
この類型を医療法で正式に法制化したものが、「基金拠出型法人」となっています。 平成19年4月より新設医療法人(新しく許可される医療法人)は「基金拠出型法人」となります。
(既に許認可が出されている出資額限度法人については、基金拠出型法人に強制移行はせず、現在の状況にて存続できます。)
社員の持分 | なし (※法人名称の通り「拠出」であり、出資ではないため) |
社員の退社等の場合 | 拠出額を上限として払戻 |
法人解散時の取扱 | 財産等の残余は、国、地方自治体、他の医療法人に帰属 |
その他 | 関連が強い営利企業から資金援助などを受けている場合には、該当する企業名・法人名の名称などを開示する |
※この移行については非常に問題となっており、約10年で移行が513法人に留まっておりました。そこで当協会を中心として長年要望を行ない、平成29年1月に持分なし医療法人への移行計画の認定制度が開始される運びとなりました。
※本制度は、令和8年12月31日までです。
>持分なし医療法人への移行について(厚生労働省パンフレット)
>持分の定めのない医療法人への移行計画の認定申請について(厚生労働省該当ページ)
社会医療法人
「公益性の高い医療※」については、今まで自治体病院が中心に行なってきた現状がありました。しかし近年、医師の偏在、長年の高コスト体質などの影響で医療基盤が崩壊しかけており、今後も自治体病院に依存ながら、これらの医療を維持していくことが困難になってきました。また、官民の役割分担を前提としてきた医療のあり方そのものを見直す必要も出てきました。
※「公益性の高い医療(活動)」 |
○休日診療、夜間診療等の救急医療 |
そこで、赤字体質が慢性化している自治体病院に代わって、今後は医療法人に地域医療の主役を担って頂き、医療法人の知恵を活かせば、効率的に取り組めると考え、「社会医療法人」という新しい法人類型が創設されました。
社会医療法人の概要 |
○公益性の高い医療を担うことができる |
社会医療法人は、
>医療提供体制に関して都道府県や市町村、公的病院の機能を代替するものとして
>公的医療機関と並ぶ6事業(救急医療、災害時における医療、新興感染症発生・まん延時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む))を担う主体として
>国・都道府県・市町村と並ぶ「地域医療支援病院」の開設主体として
位置づけられております。
このことは、場合によっては採算の合わない分野を担うため、これまで自治体病院に回していた公費を社会医療法人へ移行した医療法人にシフトして、「公益性の高い医療」に投入されることにもなります。
すでに私的二次救急医療機関への助成に係る特別交付税の算定概要についてなどにも示されているように平成22年度に創設された特別交付税措置においても社会医療法人が設置・運営する病院が対象拡充されています。(特別交付税措置に係る地域要件確認表)
さらに「公益性の高い医療」に伴うロスをカバーできるようにするため、下表のような社会福祉事業に加え、収益業務も認めるほか、自立型経営を持続できるよう公募債(社会医療法人債)も発行できるようになります。
第1種社会福祉事業 | 第2種社会福祉事業 | |
社会医療法人 | ○ケアハウスの設置・運営 ○知的障害者施設など児童入所施設の設置・運営など ○身体障害者療護施設など障害者入所施設の設置・運営 ※社会福祉法人限定の特別養護老人ホーム等は対象外 |
○保育所など通所施設の設置運営など ○デイサービスセンターなど適所施設の設置・運営など |
医療法人 | ○ケアハウスの設置・運営 |
この仕組みにより、社会医療法人も安心して公益性の高い医療に取り組むことができ、地域の医療が守られます。
なお、社会医療法人の認定作業については、要件となる救急医療等確保事業を記載した医療計画の実施が2008年4月からとなったことや、公益法人改革が内閣府で検討中であったことから、事実上、2008年4月1日以降に都道府県の認定が始まり、2024年4月1日現在の認定数は365法人が正式認可を受けています。
医療法と医療法人制度の歴史
医療関連法規は、人、保険、施設の3つの分野に大別されます。人では医師法、歯科医師法等、保険では健康保険法等がありますが、医療施設に関する基本法が医療法です。
医療法(昭和23・7・30法律205)は、医療を提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与することを目的に、昭和23(1948)年に制定され、その2年後の昭和25(1950)年には、医療法人制度が同法に導入されています。
その際の趣旨について、同年の厚生省事務次官通知は次のように記しています。
「本法制定の趣旨は、私人による病院経営の経済的困難を、医療事業の経営主体に対し、法人格取得の途を拓き、資金集積の方途を容易に講ぜしめること等により、緩和せんとするものである」
医療法は、その後、様々な重要な改正を経て、現在にいたっています。その主要な改正点を医療法人制度を中心に振り返ると、次のようになります。
○第一次改正(昭和60年12月公布)
改正前は、診療所を開設する医療法人については、医師、歯科医師が常時3人以上勤務していることが要件とされていましたが、診療所経営の近代化のため1人又は2人でも認めることとなりました。昭和61年10月より施行。
このほか、同改正では医療資源の効率的活用に配慮しつつ、医療提供体制の体系化を目的に医療計画制度も創設され、以後、病床規制が実施されるようになりました。
○第二次改正(平成4年7月公布)
医療法人の附帯業務に疾病予防運動施設等を追加しました。平成4年7月より施行。
このほか、同改正では特定機能病院や療養型病床群の創設が行われ。平成5年4月より施行。
○第三次改正(平成9年12月公布)
特別医療法人制度が創設され、平成10年4月から施行されたほか、医療法人の附帯業務が第2種社会福祉事業にまで拡大され、平成9年12月から施行されました。
このほか、同改正では診療所の療養型病床群の設置が認められたほか、地域医療支援病院が創設されました。
○第四次改正(平成12年12月公布)
医療法人制度には改正なく、病床区分の見直しによる「その他病床」の一般、療養への区分と届出(平成15年8月末まで)が決まったほか、一般病床の看護配置基準強化、病床面積拡大等が行われました。平成13年3月から施行。また、同時に医師法も改正され、平成16年4月から臨床研修が必修化されました。
○第五次改正(平成18年12月公布)
第五次医療法改正では次のようなポイントがあります。
>解散時の残余財産の帰属先の制限。(医療法第44条第5項)
>社会医療法人制度を創設。(医療法第42条の2)
>役員・社員総会等の法人内部の管理体制を明確化。(医療法第46条の2~第49条の4)
>事業報告書等の作成・閲覧に関する規定を整備。(医療法第51条~52条)
>自己資本比率による資産要件が廃止される。(医療法施行規則第30条の34)
>附帯業務の拡大
・社会福祉事業の範囲について必要な見直しを行なう。(医療法第42条第7号)
・有料老人ホームの設置が可能になる。(医療法第42条第8号)
→2007年3月30日に出された医療法人制度改正に関する各種通知(2007年3月30日)の資料(ここをクリック)をご参照下さい。
○第六次改正(平成26年10月公布)
第六次医療法改正では次のようなポイントがあります。
>病床機能報告制度と地域医療構想の策定をし、病床の機能分化・連携の推進を図る
>医療法人制度の見直し
>医療事故調査制度など医療事故調査の仕組みの法整備
>看護師の届出制度や特定行為に係る看護師の研修制度など看護職員確保の対策
等
○第七次改正(平成27年9月公布)
第七次医療法改正では次のようなポイントがあります。
>地域医療連携推進法人制度の創設
>医療法人制度の見直し と 医療法人の経営の透明性の確保
・医療法人のガバナンスの強化に関する事項
・医療法人の分割等に関する事項
・社会医療法人の認定等に関する事項