TEL:03-3234-2438e-mail:headoffice@ajhc.or.jp

日本医療法人協会ニュース 2023年2月号

協会ニュース一覧へ

■巻頭言
 日本医療法人協会 副会長 菅間 博

■新年のごあいさつ

■EVENTReport
令和4年度 第2回経営講座
2022年度病院経営定期調査

●ウクライナ支援について
●NEWS DIGEST医療界の最新動向
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 COVID-19が5類に引き下げられたあとの準備を!

日本医療法人協会 副会長  
社会医療法人博愛会 理事長 
菅間 博

 岸田文雄首相は、今春から新型コロナウイルス(以下COVID-19)の感染症法上の位置づけを「2類相当」から「5類」に引き下げると表明しました。4月以降、あるいは5月のゴールデンウィーク後には、患者の隔離を伴う感染予防策は法的に不要となり、公費負担も順次なくなり通常の社会保険診療に移行します。これでようやく、日常診療も落ちつくのではと考えています。

 欧米では、昨夏以前からマスク着用を止め、隔離等の感染予防策はとられていませんが、集団免疫とワクチン接種の効果もあり、オミクロン株の流行で大きな混乱は起きていません。ゼロコロナ政策をとっていた中国も急きょ、これまでの対応を1月8日に180度転換し、分類を「乙類乙管」に変更しています。COVID-19の病原性の引き下げの法的な判断は、日本は欧米に比べて1年、中国に比べても3カ月程度遅れています。要因としては、COVID-19の感染症分類について、日本では公衆衛生的観点をより重視しているのに対し、欧米ではウイルス学や病理学の科学的観点を重視しているためと考えられます。

 ただし、日本のCOVID-19による相対的な死者数は欧米より少なく、医療崩壊は起きていません。中国ではCOVID-19患者の急増による医療崩壊を心配する報道がなされていますが、相対的な死者数は、中国が日本より少なくなる可能性があります。

 COVID-19は変異を起こしやすいウイルスです。感染性と増殖性が高い変異株が自然淘汰により選択され生き残ります。当初の重症急性呼吸器症候群(SARS)はCOVID-19表面のS蛋白とACE2受容体との結合を介して起こり、その結果として、特異的な急性間質性肺炎や循環器病変等が起こりました。今、流行しているオミ
クロン株のS蛋白はACE2受容休との結合構造が失われていて、通常の風邪を引き起こすウイルスと同様の機序で感染し、上気道粘膜への非特異的な炎症を起こします。オミクロン株が変異を繰り返して元のS蛋白の結合構造を再獲得すること、また一度脱落した形質が元に戻る確率は極めて低いと考えられます。

 ただし、今後も変異を繰り返し、S蛋白の表面抗原は変化し、免疫逃避やワクチン効果の減弱は起こります。その結果、第8波で集団免疫状態に近づいてもCOVID-19が完全に終息することはないと考えられます。大流行は恐らくは収まるものの一定程度の感染は持続し、上気道炎ないし風邪として市中に残ると予測されます。

 遅くとも、5月のゴールデンウィーク後には5類に引き下げられますが、COVID-19はなくなるわけではありません。COVID-19と共存しながら日常の診療を行うために、具体的な対応策を練っておく必要があります。


~ご意見・ご感想をお寄せください~

 より良い誌面づくりのためにも、会員をはじめ読者の皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。宛先は事務局までお願いします。 (Eメール:headoffice@ajhc.or.jp

アクセス

東京都千代田区富士見
2-6-12 AMビル3階
TEL:03-3234-2438
FAX:03-3234-2507
E-mail:
headoffice@ajhc.or.jp