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日本医療法人協会ニュース 2023年3月号

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巻頭言
 日本医療法人協会 副会長 小森 直之


■特別座談会 眞鍋 馨・厚生労働省保険局医療課長を迎えて
 物価上昇を上回る賃上げの"+α"確保 「骨太の方針」への明記に向けて総力を


■自見はなこ参議院議員の国政レポート 第27回
 感染症対策の司令塔となる 新組織設立法案が通常国会へ

■特別報告 かかりつけ医機能をめぐる議論と民間中小病院の役割
 日本医療法人協会常務理事 安藤高夫

●ウクライナ支援について
●NEWS DIGEST医療界の最新動向
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 医療機関が直面する支出増への対応

日本医療法人協会 副会長  
医療法人社団恵仁会 なぎ辻病院 理事長 
小森 直之

 現在、医療機関は未曽有の支出増に直面してい る。石炭や液化天然ガスなどは輸入に頼らざるを得ず、これらは2021年秋頃から高騰を続け、ウクライナ侵攻、円安の影響といった複合的要因も重なり、光熱費の値上がりは収まる気配を見せない。

 四病院団体協議会が1月25日に発表した「電気・ガス料金値上がり調査最終報告」によると、22年9月は前年同月に比べて、電気料金が43.5%、都市ガス料金が72.3%、LPG/プロパンガス料金が14.3%、重油・灯油・軽油料金が10.4%の上昇が見られたとの結果が出ている。これによって、補助金を含む医業収益に対する電気料金の値上がり額は、前年対比平均で医業利益を0.42%減少させ、都市ガス料金の値上がり額は0.27%減少させていることがわかった。四病協は22年6月23日、経済産業大臣に対して「医療機関における光熱費 (電気・ガス・燃料)に関する要望」を申し入れ、財政措置の充実を求めている。

 また、岸田文雄首相は年頭の記者会見で、物価上昇率以上の賃上げ実現を求めているが、医療界もこの影響から免れることはあり得ない。ただ、周知のとおり給与の原資となる診療報酬は公定価格で、賃上げするには診療報酬のアップが伴わなければ、医療機関の経営は維持できなくなる。そもそも、医療機関は利益率がきわめて低いなかでの経営を強いられていて、国が「賃上げ」を求めるならわれわれ医療界、とりわけ利益率が悪い病院、介護施設に対しては診療報酬の引き上げ等の手当てがなければならない。

 診療報酬の引き上げ抜きには、給与を上げることはもとより、これから始まる多死社会における多くの人への治療も、今後も起こると予想される感染症への対応も困難になっていくだろう。新型コロナウイルス感染症対策が新たな段階に入ろうとしている現在、これまで全力で、休みなく働いてきた医療スタッフも一種のバーンアウトを迎えているのか、離職がここにきて増加している。

 これ以外にも、医療費の自己負担割合が高まれば未収金問題がさらに大きくのしかかるだろう。カード決済の導入を検討しようにも、医療機関にとっては手数料さえ重荷になる。病院給食の提供も1998年以降、入院時食事療養費が一度も見直されず、今や大半の病院が赤字運営である。

 今回のコロナ禍で日本の医療が崩壊せずに耐えたのは、点(少数の急性期病院)で受け止めたのではなく面(多数の病院、医療機関、施設)で受け止めたからである。一部の病院だけに公的資金を投入すれば地域医療は存続するという発想は、今後に大きな禍根を残しかねない。

 日本の医療体制をこれ以上崩壊させないためにも、適切な対応が求められる。日本医療法人協会はこれらの要望書を政府、厚生労働省に申し入れているが、引き続き訴えていく所存である。


特別座談会 眞鍋 馨・厚生労働省保険局医療課長を迎えて
 物価上昇を上回る賃上げの"+α"確保 「骨太の方針」への明記に向けて総力を

 2024年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬同時改定は、地域医療構想のゴールである25年の直前に行われる改定で、40年も見据えて、今後の医療・介護提供体制を方向づける重要な意味を持つ。賃上げが求められる社会情勢も踏まえた同時改定の展望を、眞鍋 馨・ 厚生労働省保険局医療課長を迎え、語り合っていただいた。
(以下 掲載略)


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