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日本医療法人協会ニュース 2023年4月号

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巻頭言
 日本医療法人協会 会長代行 伊藤 伸一


■特別インタビュー 老人保健課長に聞く2024年度介護報酬改定の動向
 古元重和 厚生労働省老健局老人保健課長

■トピックス 医師の働き方改革まで残り1年正真正銘の最終点検の年
 インタビュー 日本医療法人協会副会長 馬場武彦
 関連通知 Q&A
 ※医療機関の宿日直申請に関するご相談について

■自見はなこ参議院議員の国政レポート 第28回
 今年度も臨時交付金交付を決定 総額1兆2000億円を担保

● NEWS DIGEST 医療界の最新動向
第1回経営講座について
●「医師事務作業補助者研修」ご参加の募集について
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 第8次医療計画に向けた医療提供体制を再考する

日本医療法人協会 会長代行
社会医療法人大雄会 理事長
伊藤 伸一

 昨年度末にはほぼ収束した、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけや補助体制の変更について、さまざまな情報が交錯して多少の混乱がありました。会員の皆様におかれましては、3年にわたる感染症対策につき丁寧な対応をいただいたことに感謝申し上げます。

 さて、昨年末に全世代型社会保障構築会議の報告書がまとめられました。2025年以降の少子高齢社会と人口減少の現実を受けて、良質で効率的な医療提供体制を新たに構築するための作業を急ぐ必要があると明記されました。

 特に、今回の新型コロナ拡大によって地域医療機能が十分に働かず総合病院に負荷がかかったことから、第8次医療計画の策定に合わせて、 地域医療構想を推進すると同時に、「フリーアクセスの考えのもと地域包括ケアの範疇でかかりつけ医機能を整備し、各医療機関の連携を強化するよう促す」と書かれています。

 この機能を進めるべく、複数の医療機関の緊密な連携実施のため地域医療連携推進法人の活用が提示されました。

 2月5日に開催された日本社会医療法人協議会特別研修会にて、上智大学の香取照幸先生がご講演で示された2040年の社会のイメージでは、 85歳人口が1000万人を超えてその5割が要介護、4割が認知症状態になり、さらに85歳以上は外来で受診できないことから、ニーズは訪問診療に大きくシフトしていく──という推計をお示しいただき、外来医療のあり方を考え直す良いきっかけとなりました。これまで漠然ととらえていた「外来患者が減少する」という未来は、25年には95%を超える医療圏で現実のものとなり、さらには、救急搬送の7割にあたる高齢者は二次救急で対応可能であるという現実を直視して、その対応策を考えなければなりません。

 これからの高齢社会に必要とされるのは「治し支える医療」であり、それを実現するためには少数の高次機能専門病院と多くの回復機能・地域包括機能を有する中小病院が必要であることは、これまでも加納繁照会長が強く主張されてきたことです。また、受診が困難な高齢患者の増加によって外来患者数の急激な減少が起こることは避けられない未来であり、オンライン診療の推進と相まって、外来機能再編に大きな影響を与えることは必定で、今後は、地域医療構想の重要な課題としてとらえ協議を進めていく必要があります。

 地域医療提供体制も地域包括ケアの視点から、 介護施設や在宅機能を踏まえた患者視点での協議が必要だという香取先生のご指摘は重要であり、地域医療構想調整会議の進め方にも何らかの工夫が必要であろうと思われます。これからも40年の節目に向けて、地域医療が堅持できるような構想調整会議のあり方を提言してまいります。


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