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日本医療法人協会ニュース 2023年5月号

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巻頭言
  日本医療法人協会常務理事 星野 豊


■特別インタビュー 5類移行後のポストコロナ対応
 今秋に向け新型コロナは 全病院で診る体制へ
  日本医療法人協会副会長 太田圭洋

■特集企画 病院のサイバーセキュリティ対策
 増加するサイバー犯罪 対応は病院経営者の必須課題へ
  インタビュー 株式会社ナレッジハンズシニアマネージャー 兵藤敏美
  医療情報システムの安全管理ガイドライン第6.0版(概要)

■自見はなこ参議院議員の国政レポート
 第29回 各種政策の方針を固める議論が 6月に向けて進行中

■EVENT Report
 医療分野における物価・賃金高騰対策に関する要望

● NEWS DIGEST 医療界の最新動向
●春の叙勲・褒章について
第1回経営講座について
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 2024年医療介護の同時改定に向けて想うこと

日本医療法人協会 常務理事
医療法人社団豊生会 理事長
星野 豊

 2024年の医療・介護・障害福祉サービス等のトリプル改定に向けて、23年は議論が取りまとめられる重要な1年となります。

 前回の22年度診療報酬改定を踏まえた対応と感染症対策の強化に加えて、40年の社会を見据えた地域医療構想や働き方改革など、長期的な方向性を示す視点も含んだ、重要な改定になっていくものと思います。

 前回改定では「治す医療」を担う医療機関として、高度急性期機能の明確化を図るべく「急性期充実体制加算」などを創設。急性期は集約化・ 大規模化で絞り込みが進む一方で、「治し、支える医療」を担う地域包括ケア機能の医療機関との役割分担、機能分化の明確化が図られてきました。

 24年度改定では、この「治し、支える医療」についての具体的な施策に注目する必要があり、地域包括ケア機能としてポストアキュート、サブアキュート、在宅療養支援の3機能をバランスよく担う役割が必要不可欠だと思っています。

 改定に向けた意見交換会の議題として、「医療・介護の連携」「増加する認知症への対応」「リハビリテーション・ロ腔・栄養」「人生の最終段階における医療・介護のあり方」「訪間看護」などが挙がっています。

 「治し、支える医療」の実現には、複合的な慢性疾患を有する高齢患者の増加など、疾病構造の変化を踏まえて、在宅を中心に入退院を繰り返 し、最後は看取りを要する地域の高齢者を"面'' で支えるという観点から、外来医療や在宅医療の果たす役割はより重要になっていきます。

 在宅医療においては、今後の需要増加に向けた強化が喫緊の課題です。昨年暮れの第8次医療計画の意見取りまとめでは、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」と「在宅医療に必要な連携を担う拠点」を医療計画に位置づけ、 適切な在宅医療の圏域を設定する方針が示され ました。

 「積極的役割を担う医療機関」としては在宅療養支援診療所(在支診)や在宅療養支援病院(在支病)、必要な連携を担う拠点としては市町村や保健所などが想定されており、当協会とも関係がある在支病団体の「日本在宅療養支援病院連絡協議会」の役割は、より一層重要になっていくと思います。

 今後、こうした施策が地域医療構想にも反映されて地域での医療・介護の「水平的連携」を促し、安心して蒻らし続けられる「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築を進めていくことが求められていきます。まずはポスト25年を見据え、報酬改定、制度改革等の議論の行方を十分に注視していきたいと思います。


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