日本医療法人協会ニュース 2023年8月号
■巻頭言
日本医療法人協会 常務理事 今村 康宏
■特別対談
全日本病院協会会長・日本医療法人協会会長が語る
次世代の医療のために病院団体は大同団結せよ
猪口 雄二 全日本病院協会会長 × 加納 繁照 日本医療法人協会 会長
■トピックス
地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ
データに基づいた議論の深化で持続可能な医療提供体制の検討が2040年に向け求められる
日本医療法人協会 会長代行 伊藤 伸一
■EVENT Report 令和５年度第１回経営講座
■自見はなこ参議院議員の国政レポート
第32回 これからの1年間で具体的検討が加速する課題を注視すべき
●「医師事務作業補助者研修」(10/21,10/28 開催)ご参加の募集について
●「医療事故調査制度を再確認する─歴史の証人と行政との対話」講演会(8/27開催)について
●「第2回経営講座」(9/29開催)のお知らせ
●「第38回全国医療法人経営セミナー」(11/18開催）のお知らせ
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記
日本医療法人協会 常務理事
医療法人済衆館 理 事 長
今村 康宏日本医療法人協会の諸先輩方におかれまして は、いつもご指導、ご厚情を賜り心から感謝申し上げます。初の巻頭言を担当させていただくこととなり、私のような若輩が大変恐れ多いことではありますが、ご容赦いただければと思います。
今期も加納繁照会長体制のもと、先日には、太田圭洋副会長が中央社会保険医療協議会の委員に選出されました※。医法協にとって初の中医協委員選出の快挙、心からお慶び申し上げます。とはいえ、来年の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定を控え、本当に大変な局面で激動の情勢へ立ち向かわれることとなるのは必定であり、少しでも太田先生がお力を発揮できるよう、私たちとしても情報収集や意見形成に向けて全力で取り組まなければならないと改めて思うものであります。
当協会は、加納会長のもとにすばらしい民間病院の経営者の先生方が集結し、これからの日本の厳しい医療制度のなかで「民間病院こそが医療を救うのだ」という気概でさまざまな活動を行っています。その歴史のなかで、社会保障を取り巻く財政状況が今ほど厳しいものとなったことはないでしょう。発信力に優れた当協会の取り組みは、今後一層、医療界にとって重要度を増すはずだと思われます。
最近気になっていることに、地域医療構想で進められるであろう「疾病ごとの機能分担の話し合い」に関することがあります。がん、脳卒中、心筋梗塞など５疾病、６事業についての話し合いが構想区域ごとに進められていくと思われますが、これこそ、巨大な規模を有する公的・高次機能病院がイニシアチブを取り、優位性を保ちつつ議論が進む可能性があると危惧しています。
どの疾病も急性期治療だけでは治療が完結しないことは明白で、たとえば、がんにおける緩和医療や脳卒中のリハビリ、心臓リハビリなどが、急性期治療に引けを取らないほど重要であることは、今や常識といえます。日頃から地域で連携関係を持つ民間医療機関は、急性期治療を行う医療機関と同じ立場で議論のテーブルにつかなければなりません。それぞれの病期におけるすべての医療提供者が参加して、フラットな機能分担の話し合いができるかどうかが重要ではないかと思います。
加えて、人口の多い地域では構想区域をまたいで連携している場合も多く、これまでの地域医療構想とは違った視点が必要かもしれません。 各地域での有効な取り組み事例などがありましたら、ぜひ共有させていただけると幸いです。
私としても加納会長のもと、できるだけ当協会の趣旨に沿った貢献ができるように奮励してまいります。諸先輩の先生方におかれましても、何とぞご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
※中央社会保険医療協議会の診療側委員として、現中医協委員の日本病院会副会長・島弘志先生が2023年10月に任期を終えるため、6月23日の日本病院団体協議会・代表者会議にて、その後任として太田圭洋副会長を推薦する方針を決めたものです。
特別対談
全日本病院協会会長・日本医療法人協会会長が語る
次世代の医療のために
病院団体は大同団結せよ
猪口 雄二・全日本病院協会会長 ×
加納 繁照・日本医療法人協会 会長
物価高騰や人件費上昇への対応という大きな課題を抱えるなか、2024年度のトリプル改定の先行きはまだ不透明であり、病院経営を取り巻く厳しい環境に好転の兆しは見えない。今後の病院経営者に求められる視点、さらに将来の医療界を担う次世代の人材育成など、これからの課題について、猪口雄二・全日本病院協会会長と加納繁照・日本医療法人協会会長に語り合っていただいた。
（以下、略）
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