日本医療法人協会ニュース 2023年12月号
■巻頭言
日本医療法人協会 理事/特定医療法人仁泉会朝倉病院 院長
田辺 裕久
■特集
第38回全国医療法人経営セミナー
各種医療施策開始直前の節目の年にこそ気づきを
■特別寄稿
医療機関のデータの見方について ~財政審「社会保障」の議論に対する私見~
日本医療法人協会常務理事 安藤高夫
■特別寄稿
医療事故調査報告書の公開は禁じ手
一愛西市医療事故調査委員会の行為は制度の趣旨を逸脱し、法令に違反している一
日本医療法人協会常務理事 小田原良治
■EVENT Report
ポストコロナ医療体制充実宣言
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記
日本医療法人協会 理事
特定医療法人仁泉会朝倉病院 院長
田辺 裕久5月には新型コロナも5類に移行、感染が続くとはいえ流行期ではなく解放感に包まれた大会に。今回のテーマは、観光色を前面に出した4色 (食、植、触、職)の高知。高知の魅力を4つの色に分け、赤はカツオを代表とする食を、緑は森林率日本一を誇りCO2削減に最も貢献している植を、 青は青々とした海や空・清流を、ピンクは触とし、 今やブランドである土佐酒の御遊びを中心としたおもてなしを前夜祭で堪能していただきました。
当日は、医療人、医療法人として自分たちの職を考えていくセミナーでした。午前の部は来年の課題である医療・介護・障害福祉サービス等のトリプル改定と医師の働き方改革。診療報酬改定は 中林梓・ASK 梓診療報酬研究所代表取締役に改定の要点を力強く語っていただきました。
医師の働き方改革は、馬場武彦副会長にシンポジウム1の座長と基調講演をお願いし、シンポジストとして、日本医師会の城守国斗理事からは制度と現状について。続いて、地元を代表する近森病院の川井和哉院長には、救急病院ながらA水準をとれるよう医師の仕事の一部を他職種へ分担、責任を持たせながらより医師の仕事に集中する体制づくりの取り組みについて。最後に、高知大学医学部附属病院の花崎和弘院長には、医師の意識改革やチーム区療の推進など、今までの大学病院にとらわれない働き方について話していただきました。ランチョンセミナー「異業種に学ぶ」では、NHKの朝ドラ『らんまん』でおなじみの高知県牧野記念財団の川原信夫理事長に、その取り組みや身近な薬草や毒薬の見分け方などを興昧深くお話しいただきました。
午後には、DXについて、わが県輩出のの尾崎正直・元デジタル大臣政務官に、今年問題となったマイナンバーカードやデジタル化の現状や今後について説明があり、マイナカードヘの不安の払拭、働き方改革や少子化時代の人員の負担軽減への大きな役割を再認識できました。
最後のシンポジウム2は、最大の課題の一つ「少子化時代の人材確保」でしたが、高橋泰先生には、デジタルつながりでウェブカルテの活用推進を、加納繁照会長には民間病院の効率性を、さらに、日本医師会の釜落敏理事には人材が集まり辞めないための魅力度アップ、渭南病院の溝渕敏水院長には、地元を活性化し地域医療連携推進法人による人材の効率的活用と人材確保の可能性を示していただきました。
結論として、特効薬はなく「やれることの積み重ね」ですが、地域医療連携推進法人には未来の一端に触れたような気がしました。理想的には各都道府県、いや日本の病院が有機的につながり一体化することでしょうか? 最後に、大勢の方に参加いただきました。本セミナーが皆様方のよき未来の一端に触れたとしたら幸いです。感謝。
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