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日本医療法人協会ニュース 2024年3月号

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巻頭言
 日本医療法人協会 副会長 鈴木 邦彦


■特別インタビュー 2024年度診療報酬改定・解説
 処遇改善に向けた財源確保の一方、厳しい見直しも見られ中小病院への影響の可能性も
  日本医療法人協会副会長 太田 圭洋

■EVENT Report
 四病院団体協議会・日本医師会合同記者会見

■TOPICS 施行直前・医師の働き方改革対応最終チェック
 宿日直許可の取得「まで」ではなく 持続的に基準の遵守ができる体制構築が4月以降の課題
  日本医療法人協会副会長 馬場 武彦

■EVENT Report  令和6年度税制改正大綱

● NEWS DIGEST 医療界の最新動向
令和6年度診療報酬・介護報酬同時改定説明会のお知らせ(3/14〆切)
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 医療界は今こそ医師会を中心に大同団結が必要

日本医療法人協会 副会長
医療法人博仁会 理事長
鈴木 邦彦

 2024年度同時改定が決着しました。25年を目標年とした社会保障・税一体改革の仕上げの改定とも言えます。賃上げ分以外は厳しい内容ですが、昨年末の診療報酬改定率は本体+0.88%と、近年にない高いものでした。

 しかしながら、物価高騰や賃上げ分もきちんと上乗せされたかについては、はなはだ心細い状況と言わざるを得ません。私が懸念しているのは、もはや診療報酬は医療機関の経営を維持する役割を放棄してしまったのではないかということです。このままでは長期の経営戦略は立てられず、2年ごとの診療報酬改定の改定率に左右される "その場限り''の運営しかできなくなってしまいます。もちろん、改定率に見合った賃上げはしますが、その後の経営を圧迫するようなベースアップはできません。そしてこれからも、物価や賃金が上がっても、2年ごとに今回のような消耗戦を繰り返すのでしょうか。

 私は20年6月から、地元の茨城県医師会会長を務めていますが、ここで、医師会の役割は何なのかを考えてみると、すでに会員の過半数は勤務医であり、もはや開業医のための団体ではありません。しかも、特に都道府県レベルでは、突出した医療系職能団体として、医師個人だけでなく県医法協会員を含む病院の取りまとめ役も担っています。

 さらに近年は、地域包括ケアシステムの構簗において、かかりつけ医が多職種連携のまとめ役となることが求められていることから、医療系以外の介護やリハビリ系職種の取りまとめも担っています。今や、特に都道府県の規模では、医師会は診療所だけでなく病院や医療・介護・リハビリ系団体の中心的存在になっており、地域医療構想の実現においても、医師会が各病院の意見を集約しないといつまでたっても話がまとまりません。

 このように、医師会は、地域包括ケアシステムの構築や地域医療構想実現の推進役になっています。現在、令和7年度から開始されるかかりつけ医機能報告制度の検討が進められていますが、医師会の使命は、わが国が世界最高齢国として、 超高齢社会を乗り切る体制を真っ先に確立することであることを明確にするとともに、そのために必要な地域包括ケアシステムの構築と地域医療構想の実現、およびかかりつけ医機能の充実・強化の三位一体の取り組みを着実に前に進めることであると考えています。そして、そのために必要なコストは堂々と主張できるようにすべきであると考えます。

 私は、日本医師会が病院団体と連携しながらその改革の司令塔となって、世界に先駆けて超高齢社会の医療・介護モデルを確立することを心から期待しています。


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