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日本医療法人協会ニュース 2024年6月号

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■巻頭言
 日本医療法人協会 副会長 鈴木 邦彦


■特別インタビュー
 新たな地域医療構想等に関する検討会 構成員
 伊藤 伸一 日本医療法人協会 会長代行 に聞く
  民・公それぞれの特性を活かした体制と「2060 年」を着地点とし議論を提唱


■会長談話
 2023年度決算はかつてない危機的状況
 公的支援要望も検討中 
  日本医療法人協会 会長 加納 繁照


■特別寄稿「サポート詐欺」の現状と対策
「異状死体等の届出義務」と学生教育を考える
  日本医療法人協会 常務理事・医療安全部会長 小田原良治

●令和7年度予算概算要求に関する要望
●医療界の最新動向 NEWSDIGEST
●「第1回経営講座」開催のお知らせ
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 同時改定で明示された民間中小病院の生きる道

日本医療法人協会 副会長
医療法人博仁会 理事長
鈴木 邦彦

 私は従前より、病院が進むべき方向性は大きく2つに分けられると考えてきた。一つは、高度急性期医療を担う大型病院である。今後、人口減少とともに集約化は不可避で、おおよそ人口50万~ 100万人の圏域に1カ所という形で整備されていくだろう。もう一つは、地域包括ケアシステムを支える地域密着型中小病院である。

 200床未満の在宅療養支援病院は後者の典型だが、そのほかの病院も、地域や事情によって柔軟に対応することが求められる。国全体の病院の7割は中小病院、8割は民間病院だが、そうした病院が地域のなかでかかりつけ医機能、在宅医療、地域包括ケアの中核的役割を求められることは確かだ。

 24年度診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定は、賃上げ部分以外は、かなり厳しい内容と言えるが、他方、民間中小病院の生きる道をしっかりと示しているとも言える。医療・介護政策の大方針である地域包括ケアシステムの構築と地域医療構想の実現に向けて、その担い手としてのかかりつけ医機能の充 実・強化の地ならしという印象を持っている。

 地域包括ケアシステムの構築については、これまでは職種やサービス間の連携を評価する内容が多かったが、今回の改定における評価は、医療機関と介護保険施設の連携に進化している。 介護報酬改定との連動も明瞭で、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護医療院の介護保険施設の運営基準に、緊急入院の受け人れが可能な協力医療機関として病院の確保を加えたことなどは、その最たるものである。とりわけ特養は、連営主体が病院とは異なるケースが多いだけに抵抗感もあったようだが、そこは、同じ地域を支える者同士、しっかり連携していかなければならない。

 今回の改定論議でも話題になったように、誤嚥性肺炎や尿路感染症などの高齢救急患者を高度急性期医療機関に搬送、入院させてしまうようだと、せっかくの医療資源が有効活用できないうえ、退院先の選定に苦労するという話は、ほかならぬ高度急性期病院からも聞こえてくる。そうしたことにならないためにも、地域密着型中小病院がしっかり受け人れる体制を整備していく必要がある。

 高度急性期大病院から地域密着型中小病院への下り搬送を評価する加算「救急患者連携搬送料」も設けられた。改定が中小病院に対して示した方向性は明確であろう。 こうした連携のあり方は、従来は各地域、各病院の取り組みに委ねられていたが、今回の改定ではまさに、国の方針として明示されたと言える。今後、本当の意昧での「面で支える地域医療・介護」が、大きく進む契機になると期待している。


特別インタビュー
 新たな地域医療構想等に関する検討会構成員  伊藤伸一 日本医療法人協会 会長代行に聞く
  民・公それぞれの 特性を活かした体制と 「2060年」を 着地点とし議論を提唱

 2040年をめどとする、「新たな地域医療構想」の検討が始まった。従来の病床機能の整備に加え、かかりつけ医機能や介護サービスも視野に入れるという。そうしたなかで、同構想を実効性の高いものとするためには、どのような視点、方向性が求められるのか。ここでは、「新たな地域医療構想等に関する検討会」に構成員として参加している伊藤伸一・日本医療法人協会会長代行に、同検討会の概要のほか、医法協としての問題意識や検討すべきと考える項目などについてお話をうかがった。
(以下、掲載略)


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