日本医療法人協会ニュース 2025年5月号
■巻頭言
日本医療法人協会 副会長
社会医療法人城西医療財団 理事長・総長 関 健
■特別対談
松本吉郎・日本医師会 会長 x 加納繁照・日本医療法人協会 会長
人手不足や物価高など課題山積 2040年の医療を見据え
今こそ医療界は一丸と
■特別レポート
「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」について
開業制限や再教育を含む偏在是正策の方向性と病院経営への影響を考察
日本医療法人協会 会長代行 伊藤伸一
■Report 日病協「2026年度診療報酬改定に係る要望書」
入院基本料や診療報酬の仕組みなど 病院経営の底上げ促す項目が並ぶ
●NEWS DIGEST医療界の最新動向
●「第1回経営講座」開催のお知らせ
●春の叙勲・褒章について
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記
日本医療法人協会 副会長
社会医療法人城西医療財団 理事長・総長
関 健私事ながら、4月23日、義兄(姉の夫)が亡くなった。享年81。自宅療餐中であった。2月の誕生日以降食が進まず、みるみる痩せ衰えていったが、 3月に家族が救急搬送した際も入院を拒否、2日後に入院を再設定したものの当日来院せず。せめて点滴と思い訪問診療に赴いたが、その場で拒否。訪問看護も拒否という状況であった。
私の病院は2年前、在宅療養支援病院として199床(精神科70床を含む)に減床し、40床の介護医療院を併設している。在宅・訪問診療センターを設け、居宅を治療の場として重視する方向性を打ち出してきた。義兄の最期は家族の希望で救急搬送され死亡確認をするだけに終わったが、本人のACPどおりの結末だったといえるのかもしれない。
義兄は精神科の医師で、社会医療法人城西医療財団の運営する豊科病院長や介護老人保健施設安曇野メディア所長を務めた人であった。医療人である以上に、自分の人生に対する強い思いがあったのであろう。
実は、私の父方の祖父(元日本医療法人協会副会長・元長野県医療法人協会会長)と父(元日本医療法人協会理事・元長野県医療法人協会会長・元長野県医師会副会長)も81歳で身罷っている。祖父は昭和41年3月に肝硬変のため自宅で亡くなっている。訪問看護を受け、点滴や輸血も自宅で受けていた。父は平成9年2月、ネフローゼのため城西病院で亡くなっている。私は、祖父と父の臨終の床に立ち会っている(幸運なことに私は、母方祖父と母の最期も看取っている)。祖父は在宅死を望み、私たちもそれを叶えようとした。父も在宅療養を強く望んでいたが、母の負担を考え入院した。自宅を去る時、再び戻ることがない自宅を名残惜しそうにしていた姿が、今でも思い出される。
祖父が亡くなった当時の長野県男子の平均寿命は68歳くらいであったので、祖父はかなり長命だったことになる。父が亡くなった当時の長野県男子の平均寿命は78歳ほどであったので、父はやや長生きだったことになる。義兄の亡くなった今年の長野県男子の平均寿命は81歳くらいなので、ほぼ平均的寿命となる。
さて、私たちには2040年問題という課題がある。団塊の世代の動向を中心に国の施策が構簗されている一つの表れである。地域医療構想をこれからつくっていくという。私は昭和24年生まれの団塊の世代で、2040年まで生きていれば90歳になっている。母方祖父や母を超えた年齢である。 父方のように81歳で「おさらば」するなら、あと5年生きればよく、40年の修羅場を見ずにすむ。
私たちの子どもの世代にこの構想は大きな意味を持ってくる。今こそ、世代交代が必要な時なのだろう。
■特別対談 松本吉郎・日本医師会 会長 x 加納繁照・日本医療法人協会 会長
人手不足や物価轟など課題山積 2040年の探療を見据え 今こそ探療界は一丸と
コロナ禍が落ち着きを見せる一方で、病院経営は未曽有の危機的状況に直面している。さらに、超高齢社会が本格到来するなかで2040年に向けた医療提供体制整備も求められている。いずれにおいても民間医療機関が主題で、日本医師会、病院団体の連携はますます重要になる。そこで今回、日本医師会の松本吉郎会長を加納繁照会長がお訪ねし、意見交換していただいた。
(以下、掲載省略)
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