日本医療法人協会ニュース 2026年8月号

■巻頭言
日本医療法人協会 常務理事
社会医療法人渡邊高記念会 理事長
佐々木 恭子
■特集 医療法人が手がける「まちづくり」
「病院」から「健院」へ医療法人の特性を活かして「まちづくり」の中核を担う
医療法人博仁会志村大宮病院 理事長・院長
日本医療法人協会 常務理事
鈴木 邦彦
■緊急インタビュー
地域医療構想策定ガイドラインの読み方
示された提供体制の「設計図」
地域密着型の民間病院はいかに読み解き動くべきか
日本医療法人協会 会長 伊藤 伸一
■緊急要望
民間病院の基盤を守るため 建築費高騰への対応を要望
■ニュースダイジェスト
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記
日本医療法人協会 常務理事
社会医療法人渡邊高記念会 理事長
佐々木 恭子2006年から2011年までの間、兵庫県は阪神淡路大震災の復興融資や被災者支援にかかる負担で起債許可団体となっていました。悲しい過去の歴史です。
歴史は繰り返し、今年、兵庫県は再び巨額の債務を抱え、県債発行に国の許可が必要な 起債許可団体になります。税収の伸びに悩む北海道、新潟に続くとのことですが、県内税 収の伸びは5年連続過去最高額の中での転落で、北海道や新潟とは違いますし、地震関連 負債に責任転嫁するのも違う気がします。
近年、兵庫県は地域医療介護総合確保基金を利用して県立病院の再編を継続。淡路、尼崎、丹波、播磨、各総合医療センターが各々の地域で次々に生まれ、今この病院の全てが大きな負債で苦しんでいます。兵庫県が抱える県立病院の赤字は2024年度には過去最大の128億円となり、2025年度末の未償還起債残高は 2,000億円を超えています。病院局の内部留保資金は枯渇しており、民間であればすでに倒産。悲しい惨状です。
一方でこの影響もあるのでしょうか。民間病院の急性期医療からの撤退には拍車がかか り、明るい未来は見えません。そんな中、今年7月西宮市にも552床の県立西宮総合医療セ ンターが誕生します。尼崎総合医療センターに続く阪神間2つ目の医療センターで、総工事費は当初予算の1.6倍となる620億円。これにより県立病院整備費に関わる起業債は阪神医療圏だけで779億円、返済できるわけもなく最終的には全て県民負担でしょうか? 悲しいです。それでもこの開院で地域医療が今以上に充実すればと願うのですが、どうでしょうか?
阪神二次医療圏は8市1町から成りますが、この医療圏の救命救急センター(尼崎総合医 療センター、兵庫医科大学、西宮総合医療センター)は阪神間海側近距離に集中します。 西宮市内兵庫医科大学と西宮総合医療センター2つの救命救急センターは、互いに3-4km圏内に集中します。従来の課題であった阪神間北西部圏の救命医療の不足は補えません。市内流出率の高い周産期医療や身体疾患を持つ精神疾患、感染症対策も課題はそのままのようです。従来より市内の二次救急に大きな問題はなかったはずですが、何故か西宮消防救急ワークステーションを併設。救急車を複数所有し市内の2次救急医療にも参画します。起債許可団体の兵庫県全県で2,000億円を超える未償還起債残高を抱えて危機的経営にある県立病院に民間病院、地域医療が巻き込まれては困ります。
新たな地域医療構想調整会議が始まる今、地域医療の担い手である我々には、行政医療 の担い手である県立病院の使命について強く要望をしなくてはならない事を感じる日々。 ご支援いただければ幸いです。
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